ここからラブコメじゃなくなる予感

 「樹くんってこのクラスにあー可愛いなーっていう人、いないの??」


まだ来てから数週間しか経っていないのにそう聞く始末。はあ、これだから寿わ~。ただ、少し気になるのが私だ。


「え、別に、、いないけど?」


淡白な答え方が少し萌える。なんてかっこいいのかしら、、。でも、女って、かっこいいかっこいい言ってるだけで、意外と恋愛対象に入れない人多いんだよねー。

でも、恋愛小説とか読むとイケメン=学校中の女子からモテる、、みたいな。


「俺は、、自分の意見を堂々と言える人、そんな人が好きかな。」


自分の意見ね。私はどうなんだろう。委員長とかリーダーとかをよくやるが、実際言えてるのだろうか。、、それより気づいた??樹くんの一人称、俺、なんだよ♡

なんか喋ってる言葉とか聞いてるとか弱そうに聞こえるけど、全然。性格も結構大雑把だし、絵はうまいけど授業は真面目にやらずに落書きしてたり、先生に怒られても笑ってたり、、、。


 「おい、小町。おまえ、ちょっと来い。」


私に声をかけてきたのは同じクラスの男子、坂木 壮亮(さかき そうすけ)だ。

クラスの中でもお調子者で、カマチョでナルシストで自慢家で目立ちたがり屋で大嘘つきだ。こいつのこと嫌ってるやつ、結構いる。こいつとは、、色々あったのだ。


「おまえ、あのこと日立に話しただろう。なあ。どうなんだよ。バラすなって行っただろうが。まさかバラしたのはお前か?」

「自分で考えなよ。自分のした行いと相手をどれだけ傷つけたかを。自分の胸に手を置けばわかるんじゃないの?理由も聞かずにあっさりと別れるのOKしたのはそっちでしょうが。私に謝る気すらないの?だからこうなるのよ。」

「!!。その腹いせにやったっていうのかよ。おまえ、自分が何したかわかってるのかよ。クソッ、、。」

「謝らないなら、私からみんなに堂々とばらしてやってもいいんだよ。今回のは残念ながら私じゃないけど。」


私はそう決め台詞のような言葉を吐いて教室に戻った。ちょうど鐘がなる頃だった。


※日立とは、同じクラスにいるムードメーカ的存在の一人。野球部でガタイがいいが、女子男子ともに絶大な信頼を得てる。口は超絶硬い。

日立 橘田(ひたち きった)

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