第3話 ダイスケ

小学6年の春に

君は隣の席にいました

スポーツ万能で頭も良く

きれいな字を書く子でした


僕は坊ちゃん刈りを卒業して

短髪のスポーツ刈りになり

休み時間はグランドで

白いボール追っかけていました


君に何か話しかけたくて

いたずらしてみたり

勝手に「ダイスケ」って

あだ名を付けたりしました


いたずらは日を増すごとに

エスカレートして

本気で君は泣いてしまいました


怒った君は

「ダイスケ」って男の名前だから

嫌いって絶交されました。


それから一度も話すことなく

卒業式が近づきました

僕はずーと悩んでました

本当のことを言うべきなのか


本当は「大好き」と言いたかった

本当に「大好き」でした

僕の初恋はたぶん君で

「ダイスケ」は「大好き」の代わりなのです。



結局、小心物の僕は

何も言う事が出来ず

思い出として君が残りました・・・


今でも

「ダイスケ」の名前を聞くたび

君を思い出します


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る