第265話

「フッフン!勇者なら心臓を

 抉(エグ)り出されても

 平気なのかしら?」

 レベッカは、妖しく微笑を

浮かべ弄(もてあそ)ぶように

剣先をオレの胸に当てた。


「よ、止してくれ!」

 オレは恐怖で声が震えた。


「あら!ダメじゃない?

 勇者のクセに怯(ビビ)って

 ちゃ!!」

「オ、オレは………、」

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