第117話 ローマの戦士

「うぅ……!」

 気づくと、上空には、何も

なかったかのように、青空が

広がっていた。

 紅い月は、ギラつく太陽に

照らされ、霞んでいた。

 真夏の早朝だ。

 そこら中からセミの声が聞こえ

た。

 蒸し暑さに汗が吹き出した。


 オレとアンジェラがいた所には

何やら、オーラのように、砂煙が

立ち上ぼり、二人の人影があった

「な……!?」

 ひとりは、男性だ。

 鍛え上げられた肉体をしていた

 うずくまって、片ヒザを立てた

状態だ。

 洋画で観たローマの戦士の

ような装いだ。





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