本好き少女の恋愛事情

薄紅 サクラ

第一章 first story

第1話 プロローグ





「………俺は、あなたが好きです。付き合ってください!!」






 とある日の、とある放課後。

 二学年のある教室で、私は一人の男の子から告白を受けた。

 今はもう夕方。窓の外で、夕日が西に落ちようとしている時間。その窓から見えるのは、赤くなった校庭と練習している生徒。

 私たち以外の生徒は、部活に行ってるか帰ってるかで誰もいない。

 だから――――この告白を聞いてる人なんていない。いるはずがない。

 どちらかというと、いてほしくない。


 理由?もちろんある。

 これはであって、じゃないから。


 ただそれだけのこと。


 まぁ練習ではあるけど、今起こっていることは現実な訳で。

 今感じているこのドキドキも本物だ。

 次に告白を受けるなら、こんな感じがいいなぁ・・・なんて思ってたりする。


 ――――しかし。

 これとは別で、私はドキドキ・・・ではなく、ハラハラしていた。



 考えていることはただただひとつ。




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