賢者と愚者 2

 悪魔が賢者に囁く。

『もしお前が神に愛されているなら、肥だめに落ちても濡れないはずだ!』


 賢者

「神は全てを愛している。例え糞であろうと拒むことはせぬ!」

 そう叫ぶと、賢者は肥だめに飛び込み糞まみれとなった。


 今度は愚者に囁いた。

『お前も愚者の端くれなら、躊躇ちゅうちょせず、肥だめに飛び込めるはずだ!』


 愚者はその言葉を聞くと、悪魔を抱きしめ、いっしょに肥だめへと飛び込んだ。

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