死海

何人の私を殺してきただろう

私がここで生まれる度に

私は私を殺した

声がうるさくて

弱くて 我儘な私を

私の手で殺してきた


私が私を殺して

私の死体で溢れてる世界

私の世界 血だらけの世界

私の血で出来た死海


そんな死海に唯一

君が足を踏み入れた

私の死体で足の踏み場もない死海を

ゆっくりと歩いて

立ち尽くす私を見つけ出してくれた

私は私の殺人鬼なのに

君は私を殺さなかった


私 きっと

あなたじゃないとダメ

この死海に足を踏み入れられるのも

殺人鬼の私を止められるのも

あなたしかいない


あなたがもし私を抱きしめてくれたら

この死海は美しく生まれ変わり

エメラルドの透き通る海になる


私 本当は 私を殺したくない

だから君に止めて欲しいんだよ


だから此処に来てくれた君に伝えたい


私が必要だと言って

強く抱きしめて



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