失敗のレガシィ

三文士

第1話 前書き

人生とは失敗の方が多い。だが失敗とはよいものだ。失敗から学べる情報量の多さ。それに勝るもの無し。


結婚してもう三年。未だ子供には恵まれないがこればかりは授かりものなので気長に待ち続けている。だがただ待つばかりではいけない。では出来てすらいない子供の為に、私は貯金以外に何をするべきか。


私が失敗から学んだ数多くのことをなるべく忘れずに、かつ自然な形で子供へ継承できないだろうか。ある時そんな風に考えた。


なるべく説教臭くなく、かつユーモアを添えて面白おかしく分かりやすく。いつか産まれてくる子供に教えてあげられたらどんなに素晴らしいだろう。


親というのは子供が相手だと素直になれない。自分の親を見ていて分かったことだ。子供も、親が相手だと素直に聞き入れられない。他ならぬ、私と親がそうであったから私と子供もきっとそうに違いない。


私が親になった時、私はきっと子供に対して思うだろう。親と同じ轍を踏んで欲しくない、と。


私は思う。苦労は買ってでもしろというが、買わなくてもいい苦労だってある。苦労を全部片っ端から買う必要なんてないのだ。必要な苦労だけを買うべきだ。


失敗だって、学ぶことは多いが失敗をし続ければ阿呆に思われる。それでは意味がない。だったら私の失敗談を惜しみなく教えてあげたい。恥じも外聞も関係ない。子供には必要最低限の失敗だけをして欲しいからだ。


だが面と向かって私のことを聞くような子供ではおそらくないだろう。だからこそ、こういう試みをしようと思う。


いつか私の子供が大きくなって、若き日の私と同じ過ちをおかしそうになった時、私はこう言うのだ。


「まず、カクヨムのコレを読んでみろ」


と。


ひとまず私の失敗談が尽きるまで書いてみようと思う。だが失敗談が尽きることなどあるのだろうか。何しろ、今でも進行形なのだから。






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