第6章

「死ねぇぇぇぇぇぇ」

叫びながら、デュアルウージを放つ。

当たるはずもな。

「やっときたか。仲間を殺せば来ると思った。お前のことだ。」

「ふざけるな」

奴は、昔の幼馴染、そして戦争中の、敵国へ亡命した、男。

彼らは、平和軍、と呼ばれる。

その中でも、重要戦力に与えられる称号、インペリアルガードを持つ男。

名は、ユタ。

「お前は、裏切り者だ。」

奴に言う。

「お前も初めは、ともに亡命を試みた。なのに、臆病なお前は、裏切ったんだ。」

確かにそれは間違っていなかった。

今は、過去を思い返す、暇はない。

「あの日、お前のせいで、二人も死んだんだ。今日もそうだ。」

俺が叫ぶ。

刹那。

ユタは、ビームランチャーを放つ。

出力全開で避けた。

「確かに、この国は、間違ってる。」

ユタにビームを放ちながら、叫ぶ。

続けを叫ぼうとしたその時。

「じゃあ、来い」

彼の口から出た言葉。

「え?」

二人の動きが止まる。

下から狙撃される弾を避けるだけで、撃ちあいはしない。

「お前のことを、国王ちゃんに話した。是非連れてきてほしいと。」

戸惑う。

いや、迷ってはいけないはずなのだ。

きずけば、ユタはいなくなっていた。

警報音が鳴り響く。

戦闘する軍の交代だ。

放心状態で、基地に戻った。

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