#12求められた返答
壊れかけていても、取り繕ってみる。
そんなことばかりしていたから。君は致命的な欠陥を抱えたまま、それを隠して笑っているんだね。
目に見えて血を流す人には、手が差し伸べられる。
君は死にたくなくて取り繕っていたから、誰もその傷に気づかない。
君は、蜘蛛の糸か、藁か――或いは僕らの手を待ち望んでいるけれど、そんなものは降りてこない。
君が必死で生きていたせいで。
君が呆れるほど生きるのに必死だったのを、僕は知っている。
僕は、薄情なのかな。
知っていたのに、君が縋る希望ももたらしてやらなかった。もたらしてやれなかった……。
そして、僕は。
君を救えるかもしれない言葉を、これしか知らない。
「君が死んでしまっても、傷つく人は誰もいない」
「――勝ち負けを決めるのは君だし、死んでしまうのもひとつの選択肢だよ」
「文句を言える人は誰もいないよ」
***
それじゃあ、また。
いつか世界が終わる頃に会えたらいいね?
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