#7君が誰でもいいの

 路頭に迷ってしまいました。

 私にはもう、何も見えないのです。痛くて、苦しくて、視界が無くなる――そんな感覚は、何度も味わってきました。


 君が誰でもいいんです。

 誰が君でもいいんです。


 理由の無い苦痛に酔って、溺れていく。

 ――自惚れたいわけじゃない。酔いたいわけじゃない。

 況してや、溺れたいなんて……。

 溺れるくらいなら、死んでしまいたい。



 君が誰でもいいんです。

 誰が君でもいいんです。


 君が“君”であれば……。


 きっと君は、私の幼い悲鳴を抱き締めてくれるのでしょう?


 blindness813@tabula.web <佐倉 李都>

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