第25話 こどもたちと赤い柱

 しろくてふわっとした羽毛のような絵本だった。

 こどものくにのおはなしだった。


「やさしい風がふく朝

ぼくらの元に 招待状がとどいた。

 ‘緑がひかりあふれる刻に 祝宴をひらきたいと思います

 その祝いに あなたたちを招待いたします

 ひかりの刻は たくさんのしろい天使たちもきます

 赤い柱も たくさんきます

 こどもたち あなたたちもどうぞいらしてください

 白い花を髪にさして いらしてください

 たのしいひかりの刻を 共にすごしましょう’

みんな とびはねたり おどったりして よろこんだ。

ぼくも すごくよろこんだ。

赤い柱たちもくるなんて すてきだ。

赤い柱はなんでも知っている。

またたくさん お話が聞けるにちがいない。」


 絵もおはなしに合っていて、ひかりの中で舞うように描かれていた。

 こどもたちが髪にさすために白百合を摘むようすは、くすぐったくなるくらいかわいらしい。

 優しく淡く白が基調の世界。

 そこへ赤く太いリボンをたっぷり巻きつけた白い円柱が階段をおりてくる姿がなんだかとても惹かれた。


 ここで目が覚めた。

 起きて「ほんとうに円柱が来た」と驚いた。

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