手紙



 拝啓 名前も顔もよく知らない貴方へ。

 街の木々も葉を落とし寒々しい姿で居ます折、いかがお過ごしでしょうか。

 貴方の愛する女性は今、俺の横で寝ています。

 もう貴方の想像する、汚れなき女性はこの世から跡形もなく消え去ってしまいました。お悔やみ申し上げます。

 それでもこの人は貴方を愛しているようです。心まで奪い取られる前に強く引き寄せてあげてくださいね。

 敬具

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