第2話

 ボクは、銀行に入るとすぐにATMに向かった。

 入っているのは数千円。

 なけなしのお金。

 そして、それを握りしめ銀行を出ようと決意した瞬間。

 銃声が鳴り響いた。


「金を出せ」


 男の声とともに悲鳴が響き渡る。


「さぁ、さっさとしろ!」


 男たちは、顔さえも隠していない。

 銃を構え楽しそうな顔をしている。

 ボクのそばで女の子が怯えていた。


 銀行強盗が顔を隠さない理由。

 それは、その場にいるモノを全員殺す気なのだとボクは思った。


  ああ、僕の人生もこれで終わりか。

  いいことひとつもなかったな。


 だから、抵抗することにした。

 どうせ死ぬのなら……

 銃弾で楽に死のう。


  僕は、誰にも愛されない。

  僕は、誰からも愛されない。


「さようなら僕の人生」


 僕はそう呟くとその銀行強盗に素手で立ち向かった。


 しかし、銀行強盗はプロではない。

 一発で仕留めては貰えなかった。


 複数の銀行強盗の蜂の巣にされた。


 そして、最後の銃弾が頭に当たったとき……

 ボクは絶命した。


 何のために生まれ何のために死ぬのか。

 ボクにはわからない。


 ただただつらい人生だった。

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