GOTO KYOTO 編
第13話 そうだ。京都行こう
「Recently, this place has become troublesome.(なんか最近ここもいずらくなりましたねぇ)」
「Oh. Absolutely. I sold things that can be sold near Edo, and it may be time to move to a base soon(ああ。全くだ。江戸の近辺で売れるものは売ったし、そろそろ拠点を移してもいいころ合いかもしれんな)」
外国人居留地でパーカー氏と鉄は、悩んでいた。
一つは、江戸近辺での売り上げが落ちてきていること。加えてもう一つが
「You feel your gaze, right?(視線を感じるんですよねぇ)」
「Um. There is no doubt that she is being watched all the time. A woman or a pervert? who tatsume.(うむ。四六時中、見られておるのは間違いない。付け女か、変態か。あの龍女とかいう女かもしれん」
「Ummm. But the Otama-san say they didn't met the suspicious person, and maybe even the period ...(ううーん。でもお珠さんたちは怪しい人には合ってないって言うし、もしかしたら期の所為ってことも…)」
「Hopeful observation is not good. But it's not easy if you care(希望的な観測は良くないぞ。しかし、気のせいで有れば楽じゃな)」
「おおーい。おーぷん ざ どぁー。だ。鉄さん。あけとくれぇ」
二階から下を見ると、お珠と美星が手を振っているのが見えた。
「It seem like they can say the opening of the gate(開門くらいは言えるようになったようじゃの)」
パーカー氏は英語を少しづつだが覚えようとするお珠と美星を気に入っていた。
「But next time I have to teach them, how to put please(じゃが、次はプリーズの付け方を教えねばなるまい)」
「right(ですねぇ)」
「I left the educator. (教育係は任せたぞ)」
「If you can pay extra(賃金割り増ししてもらえるなら)」
「I will add meat to dinner(ディナーに肉を添えてやる)」
「Isn't it an in-kind supply?(やダア、現物支給じゃないですか…勘弁してくださいよ?)」
「it is Joke. Go and open it(ジョークさ。ほれ行って開けてやれ)」
「I've acknowledged(承知しました)」
そう言いながら下へ降りていき扉を開ける。
「どうぞ。中へ」
「ああ、いつ来てもいい光景だぁ。男が扉を開けてくれる!たまんねぇ!なぁ!」
「そうよ!すっごい幸せ!いまだったらあたしゃなんでも出来そうな気がするぜ!」
扉を開けただけできゃっきゃとはしゃぐ二人。
肌は上気し、息もアライがそこはまぁ二の次だ。
「で、なんか収穫はあったんですか?」
「ああ。あった。京で攘夷ってのが流行ってるらしくてね。やばい筋じゃ、すでに何人かヤラレテるって話だ」
「だけど幕府もばかじゃあない。壬生浪士組ってのが治安を守るために怪しそうなやつらを切ってるって噂もあったぜ」
場所は京都。 この時代なら一番近づくべきではない場所だが。
「what guess what our main product is(鉄。儂らの主商品はなんだと思う)」
「Is it a gun?(まぁ、銃ですかねぇ)」
「That's right. And Edo has few fires. I think Kyoto will be a good market in terms of customers(そのとおりだ。そして江戸は火種が少ない。カスタマーの多さでいえば京都はいいマーケットになると思うが)」
「But to whom do you sell it?(ですが、誰に売るんです?あてはないんでしょう?)」
「Absent. No ... but arrange people from home. Well, it's a spy(ない。ない…が本国から人を手配する。まぁ言ってしまえば密偵だが)」
「Want to make a beachhead?(橋頭堡を作る気ですか?)」
「Kyoto is not the ratio of the previous Nama-mugi Virgie」
(京都はこの前の生麦の比じゃありませんよ)」
「I know it. Of course, preparations are done in Edo, guns are purchased cheaply from home and sold high in Japan. The labor costs are five people: me, tetsu, rosary, otama, and mihoshi.(分かっている。無論準備は江戸で行うし、銃は本国から安く仕入れ、日本で高く売る。かかる人件費はワシと鉄とロザリー、お珠、美星の5人だ)」
「Did Rosary get a reply?(ロザリーさんからは返事はあったんですか?)」
「there were. she also wants to develop a new model(あった。そして新型の開発もしてみたいそうだ)」
「危ない場所なのになぁ。怖くないのかなあ」
鉄は不思議で堪らない。
ロザリーは江戸に飽きた頃だし自分の得意分野で活躍できるならと了承した。
「お珠さんとみ星さんはなんで、納得したんです?」
「あたし達は、鉄さんとじいさまの護衛だ。京都は危険なんだろ?なら尚更、守ってやらなきゃなあ」
「あたしは鉄さんとじいさまに付いていく。止めたって無駄だよ?」
「ハァ。でも最低一年は江戸で準備が必要ですよ。カスタマーの与信管理と売買ルートを作るんです」
「準備は分かるが、与信管理ってのはなんだい?」
「与信管理はあいてに払う能力があるかを確認する行為ですよ。金が払えない相手に売るのは無駄ですからね」
「売買ルートってのは?」
「どのお客に、どの経路で売るかですね。一つでも多く借りの商人を抱き込みたいですが」
そうはうまく行かないだろう。すでに京都は他藩の手が入り乱れているバズだろうから。
2
と言うわけで。
「京都に下見に行きましょう」
「いゃっほーい。旅だあ。それも鉄さんと一緒だ。たまんねえなあ!」
「遊びじゃないんです。どの店を抱き込むかを選定しなくちゃいけないんです」
「金はあるのかい?」
「今回は、パーカーさんの協力もあって裏には商会がついています。予算は潤沢ですが、無駄遣いは厳禁です」
「分かってらあ。銭がなきゃまな板にも乗らねえからさ」
「商人を選定したら、商会の金を使って販売許可を得ます。許可を得たら、裏で望む客にはどんどん売っていく。どうですか?」
「イイねえ。でも売れるのかい?」
「最新型のボルトアクション式ライフルです。名はスナイドル銃。後装式小銃で性能は十分です。これがいまパーカーさんの在庫で200あります」
「I wonder if there is something like this. I ordered it from my home country. Buy again if it sells well(こんなこともあるかと思ってな。本国から取り寄せておいた。よく売れるようならまた仕入れる)」
「鉄砲200丁かい…一丁いくらで売るつもりだい?」
「10~12両ですかねぇ」
「たっかぁ!」
「ほんとはこれでもギリギリです」
当時の一両の価値は約13万。一丁、12両(約130~160万)くらいでうらなければ儲けにつながらない。
「トーマス・B・グラバーがという輩が取り扱っているのは、ミニエー銃だそうですが、あっちは先込め式の型遅れ品。こっちは最新式のスナイドル銃を同じ価格で売るんです。客は飛びつきますよ。きっとね」
3
そのころ壬生浪士組は京都の八木屋敷にあった。
壬生浪士組は壬生村の八木邸や前川邸およびその周辺の邸宅を屯所とし、第一次の隊士募集を行った。その結果36名あまりの集団となり、京都守護職の松平容保から、おもに不逞浪士の取り締まりと市中警備を任されて今に至っていた。
まずは隊服、隊旗を揃えるために、大坂の両替商、平野屋五兵衛に100両を提供させようと歳三、山南敬子は八木邸の一室で話し合いをしていた。
「100両は高すぎやしないか?」
「
「それもそうだが、いそぐべきは隊規の制定だよ。
山南は冷静な意見を言ってきた。
「そいつは分かってる。そいでだ。草案を書いて来てくれたんだろう?」
「ああ。一応はね。でも…内容はもっと改善が居ると私はおもうんだ」
山南がだした一枚の紙をみる。そこには局中法度の草案が書かれてあった。
一、士道ニ背キ間敷事
(武士道に背く行為をしてはならない)
一、局ヲ脱スルヲ不許
(局からの脱退は許されない)
一、勝手ニ金策致不可
(無断で借金をしてはならない)
一、勝手ニ訴訟取扱不可
(無断で訴訟に関係してはならない)
一、私ノ闘争ヲ不許
(個人的な争いをしてはならない)
右条々相背候者切腹申付ベク候也
(以上いずれかに違反した者には切腹を申し渡すものとする)
「いいんじゃねぇかな」
「しかし、局ヲ脱スルヲ不許は厳しすぎるし、違反者は切腹の一択と言うのもどうかとは思うよ」
「これくれぇ厳しくしとかねぇと違反者がわんさとでるぜ?山南さん。あんたはやさしすぎるんだよ…ともかくだ。こいつは俺から、近藤さんに出しておくぜ」
この場はこれでおしまいとなったのだが…
翌年(1863年)6月、大坂相撲の男性力士と乱闘になり殺傷する事件が起きた。無論、浪士組にも負傷者が出たのではあるが、経緯が不味かった。
文久3年(1863)6月3日のことだ。午後4時ごろ、大坂出張中の芹沢鴨、山南敬子、沖田総司、永倉新八、斎藤一、平山、野口、島田魁の8人が、夕涼みに繰り出した。
猛暑のため、みな稽古着に脇差だけという軽装で、小舟に乗って淀川を下った。
途中、斎藤が腹痛を訴えたので、鍋島河岸で舟を降ることにした。
北新地の住吉楼で休憩しようと歩いていると、向こうから1人の力士がやってくるのに突き当たった。
芹沢が「側へ寄りなさいよ」と声をかけると、
男性力士は「寄れとはなんだ」といって傲然としている。
「ああん!?」
かっとなった芹沢は、あろうことか男性力士をその場に殴り倒し、
「男だからって殴られないと思った?考えが甘いのよ」
そう言って、歩を進めた。
しかし、蜆橋にさしかかると、またも別の力士が橋の中央を歩いてきて道を譲らない。
それで今度は全員で飛びかかって倒し、芹沢が馬乗りになって、
「力士の諸君、以後、武士に無礼しないことね!」
といって突き飛ばした。
やがて北新地に着いた壬生浪士は、とりあえず茶屋に入って斎藤の介抱をしていたが、なにやら表で大勢の人声がする。
先刻の件に腹を立てた力士たちが、20〜30人もの仲間を連れて復讐にやってきたのだった。
男性力士たちはみな筋金入りの樫の棒を手にしており、表に出た壬生浪士に向かって容赦なく打ちかかってきた。芹沢以下の者はやむなく抜刀し、路上で大乱闘が始まった。
武器は脇差だけという厳しい戦いとなったが、そこは手練れの壬生浪士たちだ。たちまちのうちに4人を斬り倒し、14人ばかりに怪我を負わせると、残りの力士はみな逃げ去り、乱闘は壬生浪士の大勝利に終わったのである。が、しかし代官所は双方に原因ありとして50両の損害賠償を浪士組に言い渡したのであった。
「松平様から頂いた100両はすでに使っちまってるなぁ。そのうえ50両の賠償たぁ。きついわぁ」
近藤勇は頭を抱えていた。
既に隊服や隊旗を発注し金を使ってしまった矢先に、代官所からの損害賠償請求はこの時期の壬生浪士組には痛すぎた。
どう見ても赤字。それも50両近い大赤字である。
「なぁ、総司どうしようなぁ」
「まぁ、仕方ないんじゃないですか?相手にも非があるんです。喧嘩両成敗ってやつですよ」
沖田総司は庭先の枝に上ったまま、降りられなくなった猫を見ると、一度、脇にあった菊一文字を握り帯に差す。そして、ゆらりと動いたかと思うと次の瞬間には枝だけが切断され、猫は数瞬後に総司の手の上に無事に着地した。
「やぁ上手く行った。今日は菊一文字が軽いなぁ」
こともなげに喜んで見せる総司だが、近藤は背中に汗が流れるのを感じていた。
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