五月十一日(他と同様に空想)
ばらばらにつないだ絆 ぼくらの永遠はいつだって透明だった 朝焼け色に染まった空がきれいだ きょうはなにしよう 考えてたら誰かが荷物を運んできて おつかれさまなんて心の中では思ってもいたりして しばらくソファに座って夢でも見ていようかな そんな余裕こいたこといっていられるのか 夢が夢のまま終わってしまうのは 誰かがきっとこの世界に果てがあるということを明確にはっきり示しているようで 淡い気持ちの中に溶けていく数多の感情も これまた美味なのだった チョコレートの味は苦いものから甘いものまでじつにさまざまで たんなる砂糖のかたまりだったり あるいはやさしげなミルクの味だったりもするだろう ふと横を見ると小さい子がなにかおいしそうなものを食べている クレープのように見えたが違ったようで はてこれはいったいなんなのだろう さっき挙げたような 夢みたいに実体のないものなのかもしれない 治安のよさはそのまま彼女が食べているようなものにもしっかり現れるものなのかもしれない 中身を言い当てられないのがまことにくやしいが このことばの網にある程度とらわれているようなこんなぼくではどうにも言い当てようがない 探そうにも探せるものでもない気がしている 曜日感覚を失った獣はあらかた西の方で芳香を漂わせながら回遊するだけであって それ以上の意味など到底見つけられようもない あたかも自分が世界を征服したかのような感覚に陥っているすべてのものたちに気づきを与えるのはいったいどこの誰か 嗚呼 また夢がこちらに手招きしてぼくをはるかな世界に誘おうとしている いい香りだと思うならば同胞 そうでなければただの悪臭にすぎないだろう 思考はまとまらず また一日ときょうが過ぎていく 夜がくる 祝福を待つ
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