いつも夢のなかのキミと(平成三十年九月二十五日)
僕といつも夢のなかのキミと愛と勇気と青い空の雲のなかを 走りぬけて麦の畑 キミはいつも僕のなかにいる夢のなかを さした指の先にふれた指のぬくもり うつろう季節に なにを思うのか なにをえがくのか ただ進んでいくうつつのなかを いやよいやよというキミのねがい すぐにはかなえられずに また自滅 破滅 それらをきらう博愛主義者は いまは辛辣なかおをしていて もうどうすればいいのかわからなくなっていく ああ 過ぎ去っていくもろもろ とりかえす余裕もなく よしをよしとも あしをあしとも言えずに まだ消えない つめたい 足跡 だれかがのこす 夢 あと 爪痕 ちのあと ちのにおい ちのけがれ いますぐすべて消し去って そして 帰っておいでよ あの場所に やあ どうも また目が合ったね 何がどうなるというわけじゃないけど 勘違いしないでほしい 僕はキミの顔が見たいわけじゃない もっとこう こころのなかにある うごめいている 正体さえわかりづらい あの感覚を とりもどすための あの 夏の日の 夢みたいな あこがれ そしておもかげ 消えてしまった いつかの 揺れ いまをゆらいでいる 黒い影 そう そういえばキミは そう そういえばキミは あのころの僕は そしてあのコは どこかで会ったような はじめて見たような まばゆい光 だった ような 気がするだけ だけど まだ 終わっちゃいない もういちど世界が 騒々しくはじまりを告げて 脈打っているからだの その奥の奥のほうできらめいている 美しい感情は いつか見た幻影のすぐ先に存在する現実を彩ることはなく ただそこに実現していた かもしれないな たしかにキミは 夢を見ていた とてつもなく長い長い夢を しかしその夢は しかしどうしてもその夢は かけがえのないだれかの夢をいとも簡単にゆがめてしまう 青い青い夢だった そしてそれは すべてが整ったいまになっても なお覚めきらず そこで申し訳なさそうに泣いている 短かった夢が終わる そんな気がしている ならばせめてもの償いとして キミを苦しめた邪悪な罪を 洗い流して それからけがれのない外の世界にさらして すべてなかったことにしよう そしてキミを巣食っていたタチの悪い病を もうこれ以上広めないようにフタをして けっして後ろを振り返らずに また深い夢のなかを 今度はだれにも見られることのないように 慎重に慎重を重ねて進んでいこう そうすればあの日見た もう二度と見たくないような ふたつ あるいはそれ以上の目に惑わされることもない 心配はいらない きっとこの世界のだれかが とにかく懸命に僕たちを探し出してくれるはず もしそれが叶わないのならば また違う夢を見よう そんな感じで僕たちはここから抜け出すんだ たとえだれかに指をさされたとしても 715692
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