パソコンボランティアのネタ(後編) 6/14

年賀状作りに燃えるNさん

 今回の話は、Nさんの話です。

 言葉に難のあるNさんは、ひとりで盛り上がりつつパソコンを立ち上げています。

「パスワードが入らんの。一応、持ってきたんだけどー」

 信じてくれるのはうれしいけど、無警戒にパスワードの書かれた紙を見せないの!

 パソコンがなかなか立ち上がらなくて、結局電源が入ってなかったというお茶目なミスの後、パスワード画面もナシでいきなりノートパソコンが立ち上がる。どーなってるのかしらん。


 怒濤のタイル攻撃

 Windowsのいつものパターンで、表示されるのがタイルの画面。これが邪魔で、年賀状ソフトまでたどり着けない。

 タイルを消す方法があるんだけど、知らないんだよ~~~!

 ともあれ、年賀状ソフト、筆ぐるめにたどり着き、住所作成に挑戦するNさん。

 このキーボード操作の、なんというつたなさよ!

 ぽつん、ぽつんとキーを叩きつづけるNさんに、半狂乱になりがちなわたしの、

「はい、そこまで書いたら確定! ほら、エンターを押す!」

「そのピッコンピッコンしているカーソルを、下の欄に移動させて!」

「カタカナは、そのためのキーがあるから、一度ひらがなで書いてそのキーを押して、確定する!」

 優しく言ってたら通じないんだもん。つい、キレちゃうわたしでありました……。


 オレが頑張ったから

 Nさんは、住所録に登録する人たちを示しながら、

「コイツは、オレが頑張ったから県議会議員になれたんやで」

 と自慢そう。

 選挙運動のときに、見返りを欲しがる人もいますので、どんな頑張りをしたのか気になりますが、あまり突っ込むと険悪になりそう……。

 政治と宗教の話は、できれば避けて欲しいものであります。(とか言ってるけど、わたしもかなりこの日記で政治と宗教の話をしてるね……)


 沢山の住所録

 筆ぐるめに投入した住所が、どこまで書いたのかわからなくなった、というNさん。

 確認できるモードがないらしい(ほんとかな? わたしは筆王を使ってるのでわからないのです)

 Nさんが少し投入しては、A,B,Cという住所録を閉じて終わらせるので、それぞれの住所録に入っているのが各3件、という残念な状態です。

 マージ出来るのでしょうか。筆ぐるめ、もうちょっと勉強した方がいいかなぁ。


 ヤシハラ

 ひたすらぽつぽつ名前を書いていくNさん。人名もさまざまです。

 なかでも、ヤシハラという男性の漢字を出すのが難しい。

「ヤシが出ない」

 候補が出てきます。椰子、野師、香具師、安士……。

「どれにも当てはまらない」

 下書きを見せてくれたんですが、そこに書いてあったのは、

「安原じゃん!」

 わたしは、自分のパソコンの中に、やすはら、と打ち込んであげました。

 ヤシハラというのは、方言まじりの名前だったようです。

「あー、おれズーズー弁だからなー」

「標準語じゃないと、パソコンは受け付けてくれません」

 アレクサとか シリ とかグーグルとか、音声認識でインターネットと接続できる機械もありますが、たぶんNさんには使えないだろうねえ。


 方言対応音声認識コンピュータ

 だんだん方言がなくなってきた昨今、コンピュータが方言に対応してくれたらいいなぁ。と夢は膨らみますが、AIにそこまで期待はできないかも。

 ボランティアって、面白い。  

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