第3章_6 White Christmas
都心でも雪が降り出しそうな朝
俺たちは出会ったあの場所へ向かって車を走らせた
さっきまで、はしゃいでた幸世が急におとなしくなったと思ったら、助手席で寝息をたててる
(何か…こういうの、いいよなぁ)
彼女の寝顔を見ながら1人思い出し笑いをしながら、ハンドルを握る
高速を降りると車の中でいても、一気に気温が下がったことが感じられた
「幸世、もうすぐ、着くよ」
「ん?ごめん、寝ちゃってた」
「エヘヘ、いいよ、俺、幸世の寝顔好きだから」
「やだぁ、恥ずかしいよ」
「だってさ、初めて会った時も寝てたじやん」
「そうだったね」
「ほら、外見てごらん」
「うわぁー、真っ白」
窓の外はフワフワと綿雪が無数に空から舞い降りてきた
市街地に予約しておいたホテル
高層階からは澄んだ空気に夜景が輝いてた
「ハル、素敵だねぇ」
「気に入った?」
「うん!
今日はハルがすごーくかっこよく見える」
「っんだよー、それ、いつもはどうなんだよ」
「アハハ、ごめんごめん
いつもかっこいいけど、更にかっこいいのよ」
目の前に立った彼女が嬉しそうに俺の両手を取って、イタズラっぽく笑ってる
「幸世、そんな可愛い顔したら、襲っちゃうよ?」
「ハル…でも、お風呂入らなっ」
「後でいいや、もう無理」
「えっ、ちょっ、ちょっとぉー
きゃっ」
抱き上げると恥ずかしそうに首もとに顔を埋める彼女
その耳元で囁くように言う
「幸世、いっぱい…愛して…いい?」
「そんなこと…聞かないで」
焦るようにベッドに運び、セーターを捲り上げて乱暴に吸い付く
「もっ、ハル、あっっ」
白く柔らかい肌を優しく強く、唇と手を滑らせていくと、彼女は身体を反らせて声にならない声を響かせる
潤い満ちたところに辿り着くと肩で息をしながら幸世が言う
「んんっ、ハル、も…う」
いつもより、少し強引な彼を受け入れる
固く閉じた瞼をそっと開けると彼が動きを止めて、微笑みながら包むように抱きしめてくれる
「ハルって、やっぱり、あったかい」
「幸世を愛してるから…ね」
涙が目尻からこぼれ落ちた
White X'mas
私達は何度も抱き合い深い眠りについた
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