事態の収束

「もしかしてと思ったが、さっきの魔力はお前だなエリック」


リックは馬から降りて近づいてくる。


「リック殿!そいつは魔族だ!早く殺せ!」


「ヴァイス殿、何を言っているんだ?エリックは俺の息子だ!」


「「え?」」


スティラとヴァイスは同じ顔をして驚いた。


「どうしたのお父さん?何かあった?」


「お前があんな魔力を使うからだろ!そのせいで王城は大混乱だったんだぞ!」


「魔力?なんのこと!?」


俺が説教されてるとこにスティラが割り込んできて深く頭を下げた。


「リック様、申し訳ありませんでした。今回の騒動の原因は私です」


「何かあったのか?」


リックはいきなりのことで少しびっくりしたが冷静に状況を聞くことにした。


「実は─────」


スティラはこれまでの事を正直に話した。





「なるほど、そういう事があったのか……」


「はい。この度は本当に申し訳ありませんでした!」


スティラはもう一度深く頭を下げて謝った。


「エリック、お前には聞きたいことが色々とあるが、それは後でだ」


「リック殿、今回の騒動本当に申し訳なかっ……ありませんでした」


ヴァイスとリックは二人とも先代魔王を倒した5人のうちの魔法使いエドバンドと剣士サラの息子。当然交流は深い、というか王都に居る時はたまに飲んだり、お互いの教え子と一緒に森に訓練に行ったりとよく会っている。


そのため、いつもは砕けた喋り方だが今回は違う。リックは侯爵位を持っており、今回の騒動の被害者の父親である。

それに対しヴァイスは扱い上平民であり加害者だ。周りにも騎士がいるということでさすがに考えたみたいだ。


「分かった。早く王城に問題は解決したと報告にいけ!説明は後で行く!」


そう言うと馬に乗ってリックと一緒にきた騎士3人が急いで引き返して行った。


「リック侯爵の名においてこの事件は箝口令を敷く!」


「「「はっ!」」」


この場にいる騎士20人ほどが一斉に声を上げた。


(お父さんが貴族らしいことしてる!)


俺は違うことを考えていたが……


「ヴァイス殿、今回はうちのエリックも悪かった……が、息子が襲われたのは気が悪い。それなりの処罰は受けてもらう」


「承知した」


ヴァイスは片膝をついて頭を下げた。


「まずは王城に戻るぞ。ヴァイス殿も陛下から説明を求められるだろうから整理しといてくれ」


「はっ……」


まぁ、さすがに陛下に説明しろと言われたらそうなるよな。


「エリック、お前もだ」


「俺も!?」


「当たり前だろう!あんな、王都まで届くような魔力を出しといて「お前がやったのか」で済むか!」


「えぇ……」


「では行くぞ!」


そして俺達は王城に向けて出発した。




その道中にお父さんに耳を貸せと言われて馬に近寄った。


「秘密にしたいことがあるんだったら言わなくていい、その時は俺がフォローする」


「うん……分かった」


なんか勘づかれたか?



────────────────────

「マリとの関係の変化」のちょいエロシーンを削除しました。

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