第3章
報酬と一週間ぶりの再会
今はすごく豪華な部屋にいる。多分貴族とかの面会などに使われる応接室だろう。家にもここまで豪華ではなかったがそれでぽいのがあった。
俺の左にルルが座っており、後ろにはユイとマリ、そして黒龍が立っている。俺とルルとユイは緊張しているがマリは笑顔を浮かべており、黒龍に関しては「あの人誰?」とでも言いたそうな感じで緊張の欠けらも無い様子だ。
目の前には陛下とどこからか現れた公爵が2人で座っている。その後ろにエリンが立ち、入口付近に護衛隊長のレクトさんとメイドさんがいる。
「まずは......デルガ!今回の依頼についてだ」
「はっ!」
デルガとは公爵様の名前だ。
「えっと、形式的なものだから一応聞くけど洞窟はどうだった?」
「洞窟ですが、入口がなくなっていました。恐らく、依頼を出した直前に起こったワイバーンの襲撃の時に一緒にやってしまったかと......」
「うむ。少しはそんな気がしてたから別に気にしとらん。それではこれが今回の報酬の大銅貨10枚じゃ。」
そう言ってデルガ公爵は金貨の入った袋を机の上に置く。
金貨10枚は約1000万円!?洞窟調査に行って結局なかったのにそんなに貰えるとか......
「こ、こんなに貰ってもよろしいのですか?」
「いいんだ。依頼というのはそういうもんだ。決めた報酬は減額はできん。まぁ、上乗せとかはあるがな。それと、この間のワイバーン襲撃時の報酬も兼ねてだ」
「はぁ......」
「よし、話は終わりかな?次はエリンのことじゃ。本当にありがとう!これが護衛の報酬とエリンを助けてくれたお礼じゃ。受け取ってほしい」
そう言って袋に入ったお金と1枚の丸められた紙を置いた。
「袋の中は金貨5枚じゃ。これは受け取ってほしい。そしてその紙は王都の屋敷の証明書じゃ。お主たちは宿で暮らしていたんだろう?」
「そ、そうですか.......でも屋敷までもらってもいいんですか?」
「構わん構わん。お主たちは学園に入るために王都に来たんだろ?宿暮らしじゃ色々と不便だと思うてのぉ」
「学園?」
「なんじゃ、違ったのか?ルルくんがいるからそうかと思ったのじゃが、わしの早とちりだったか、ハッハッハ!まぁいい、その屋敷は好きなように使ってくれ。お主の兄に渡すのもいいだろう」
「ルルがいるから学園って......どうなったらそうなるんだ?」
ルルの方を見ながら言う。
「私が何度も王都の学園から教師として働かないかと言われてたからだよ?エリンちゃんを助ける前に言おうとしたのに襲われてるのを見つけて猛ダッシュで行っちゃうんだもん」
「あの時はごめんだって。それにしてもルルってそんなに賢かったんだな!」
ルルはドヤ顔を決めてこっちを見る。
やばい、どうしよう。.........かわいい!
俺は顔が赤くなるのを感じたので顔逸らす。
「この機会じゃ。エリックも学園に入るか?」
「え?入れるんですか?」
「ああ。年齢は15歳からなら試験さえ受かれば入れるし、ちょうど2日後、途中入学試験があるはずじゃ。学園の詳しいことは試験に受かってから色々と説明があるじゃろう」
「ほんとですか!?学園行きたいです!」
「落ち着け。勉強はできるのか?」
「.........」
「エリックは読み書きと計算は私より完璧ですけど.........地理と歴史が致命的で......」
黙ってしまった俺の代わりにルルが答えてくれた。
「ルルくんより完璧か.........それなら問題ないじゃろ。それに魔法実技試験もあるしな。お主ならそれでかなりの点数をとれるじゃろう」
「やった!よし、ルル!明日試験受けに行くぞ!」
「ご、ご主人様が受けるんでしたらマリも受けたいです!」
「ん、ユイもー」
「みんなが受けるんだったら僕も!」
「お主たちが受けるんじゃったらルルくん、お主は教師として働いてもらっていいじゃろうか?」
「みんなが学園に入るんだったら私はいいですよ!」
「わかった、試験に関してはこちらで手配しておく。おい!」
そう言ってレクトはメイドさんを呼び、少し話したあとメイドさんは部屋を出て行った。
「もう少し待ってくれ。ある人を呼んでおいた。」
「ある人?」
みんながポカンとしていた。
数分後、入ってきたのは意外な人だった。
「お父さん!」
「お、おじ様!?」
「な!?陛下から呼ばれたと思えばエリックとルルじゃないか!久しぶり......でもないか。1週間ぶりくらいかな?」
「まだそれぐらいしか経ってないの?でもまぁ、久しぶり」
「お久しぶりです、おじ様」
「ルルも元気そうだな。よかったよかった!............で、そこの3人は?」
「詳しいことは後で説明するけど旅の仲間かな?」
「まあ、後で色々と聞く。初めての旅のことも聞きたいからな!」
「1週間しか経ってないけどね」
「それでもいいんだよ!.........それで陛下、ご用とは?」
「それがじゃな────」
お父さんは陛下から今までのこと、主にエリンを助けた所からのことを聞いた。
聞いてる途中、俺のしたことが親として嬉しかったのか少し笑いながら聞いていた。
「──────ということじゃ。リックもエリックが学園に入ることは反対ないじゃろ?」
「ええ、冒険者にならないのであれば学園に行かせようと思っていましたからね」
「うむ。そういうことじゃ。エリック、今日は本当にありがとう!今日はもう帰って良いぞ。リックも今日はもうよい、一週間ぶりに家族で色々話すといい」
「ありがとうございます、陛下。ではまた明日に王城に来ればですか?」
「そうじゃな。明日には会議に必要な奴らも集まるじゃろう」
「ははっ!」
「ではこれで解散とする!」
「エリック、試験頑張るんじゃぞ!」
「はい!頑張ります!」
こんな会話がありながら今日は解散。
今日はお父さんの王都にある屋敷に泊まることになったのでお父さんの馬車に一緒に乗った。
途中、止まっていた宿によって鍵を返してから行った。
(屋敷に着いてから3人のことをどう話そうか?)
そんなことを考えながら馬車にゆられていた。
────────────────────
無理やり学園回の方向にねじ曲げました笑
初めの方に調子に乗って成人させてしまったのでどこでやろうかと迷ってたんですよw
まぁ色々考えているので楽しみにしててくださいね!
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