5.振り返るとそこにはアパートの管理人さんが居た。

僕は慌てた。この頭のネジが飛んだクソガキに狼藉を働いていると思われたら僕の人生は終わってしまう。


「ああ、いやあ、おはようございます、管理人さん。僕はこの人とはまったく無関係ですからね。あははは。」


「お、お兄ちゃん・・・!?ひ、酷い・・・!。あ、あの、兄が、私の事を他人みたいに扱うんです」


等と自称妹はとんでもない事を言う


野郎、僕をハメる気だな。冗談じゃあない話だ。


「おい、アンタ、どういうつもりかわからんけど、いい加減な事言っているんじゃないぞ!」


「お、お兄ちゃん・・・わ、私お兄ちゃんに悪い事した・・・?。謝るから・・・許して・・・。」


「だから僕はお前の兄貴じゃないっての!」


「あのー・・・!」


自称妹と口論していると管理人さんが横から、割り込んだ。


「ヤマサキさん、一人で何言っとるね?」


とぽかんとした顔で管理人さんは言った。


一人?。


「一人って、言いますと・・・?」


「そりゃあ、ヤマサキさんの事だね。」


不審そうな顔をして管理人さんは言う。


「あ、あの、か、管理人さんも・・・何を言っているんですか・・・?」


自称妹もたどたどしく抗議した。


「ほ、ほら、そこに、学生服の頭の弱そうな子が・・・」


と僕は自称妹を指差すも


「・・・?ヤマサキさん何言ってるね?大丈夫かいな?。そこには誰に居ないですよ」


と管理人さんは僕に向ける不振の目をさらに強めて言った。


・・・はあ・・・?。一体どういう事なんだ。この子が見えてないのか・・・?。


「・・・その・・・誰も居ないっての・・・マジで言ってます・・・?」


僕は恐る恐る聞き返してみた。


「・・・その~・・・マジなんだけど・・・、ヤマサキさんこそ、本気で何か居ると言ってるの?」


困惑そうに管理人さんは言った。


おいおい、管理人さん、ご年配だけどまだボケる年じゃないだろう。支払った家賃の事までボケられたら溜まったものじゃねーぞ。


僕はほとほとに混乱した。


「えっ・・・えっ・・?」


自称妹も目を白黒している。

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