第275話 番外編 ベターマン(1999年)
さて、見た作品が多い1999年なのですが、最初に書くのは本作『ベターマン』です。本作は深夜枠アニメです。深夜枠にしては珍しく二クール全二十六話と長い作品で、リアルタイムで全話視聴しています。ただし、これ「番外編」と銘打ったように、厳密に言うと「巨大ロボットアニメ」に入りません。
いや、主人公である「
ただ、物語のキーになり、実際に活躍するのは、ヒロインの兄の記憶を持った「ラミア」という超人「ベターマン」なんですね。それが、人類を滅ぼす最強の敵「
主人公の蛍太って、傍観者に近いんですよ。いや、色々と事件に巻き込まれて成長はしていくんですけどね。
しかも、その巻き込まれ描写が、非常にホラー的なんですよ。話によっては、主人公であるはずの蛍太までおかしくなって、ヒロインを襲おうとしたりするという。このときは描写がヒロイン視点になっていました。
それに限らず、全般的な演出が「巨大ロボット物」ではなくてホラー風味なんですよ。『ベターマン』というヒーロー物っぽいタイトルが付いているのですが「ヒーロー物」でもないという。いや、もしかしたら初期『仮面ライダー』みたいな伝奇ヒーロー物を意図したのかもしれませんが。
主人公の蛍太は、結構ヲタク気味ではありますが、それ以外は高校生です。ロボに乗れる以外に特別な能力はなく、勇気も智恵も容姿も平凡という。これが本当に主人公っぽくない平凡な容姿なんですね(笑)。ジロンとかほど崩れてないので、逆にモブっぽいという(笑)。
それに対してヒロインの火乃紀の方は美少女です。無口無感情系という、この頃流行の「綾波系ヒロイン」ですが、それは過去のトラウマによるもので、本人の自己評価が低く「私バカだから」が口癖というネガティブ系ヒロインだったりします。
こいつらが謎の事件を解決するために戦っていくのですが、実際に活躍するのはベターマン・ラミアの方が多いという(笑)。ただ、このベターマンもヒーロー的というよりはダークヒーロー的な描かれ方をしていました。何かパワーを得るために「アニムスの実」という宝石みたいなものを牙の尖った口でむさぼり喰らうという演出がされていたんですね。普段は美形の顔なのに、そのシーンでは恐ろしげになっているという。
そして、主役ロボの覚醒人1号なんですが……ダサい(笑)。寸胴短足で腕が長く、恐竜みたいな尻尾まで付いていたりします。左右回転で上下ひっくりかえってモードチェンジします。パティーグガラットと同じタイプの変形なんですが、パティーグほど劇的に変わるわけではないので、あまり面白味も無いという(笑)。両方のモードの頭部がコクピットになっていて、ダグラム風の四角いキャノピーのコクピットと、丸いキャノピーのコクピットがあります。これ、頭になってない方は股間になるんですよねえ(笑)。
そして、動いている所を見ても、特にカッコ良くは無いという(笑)。ボトムズとかみたいに演出で魅せるタイプのロボットでもなく、純粋に脇役っぽいんですよ。
ホラー風味の演出も相まって、何というか「期待していたのとは違うなあ」という印象を持つ作品だったのです。ただ、途中切りはしないで最後まで見ました。
というのも、本作は米たにヨシトモ監督をはじめとする『ガオガイガー』のスタッフが制作しているんですね。しかも、作品世界は『ガオガイガー』と共通なんですよ。だから、蛍太の友人のひとりに『ガオガイガー』に登場した牛山一男の弟である牛山次男が居たりします。
なので『ガオガイガー』にドはまりしていた私は、期待して見たんですよ。ところが、何か期待していたのとは作品の方向性が違ったんですね。つまらないとは言いません。ただ、私の好みではありませんでした。
だから、一応最後まで見たものの『ガオガイガー』ほどの思い入れはありません。ストーリーも大半は忘れてしまっています。
ただ、『ガオガイガー』と世界が共通なので、ドラマCDなどで相互にキャラがゲスト出演してたりすることもあるようですし、『FINAL』のTV放送版ではラミアがちょろっと出てくるなんてこともありました。また『ガオガイガー』のところで少し触れた小説やコミックで出ている続編のタイトルが『覇界王~ガオガイガー対ベターマン~』なんですよね。
なので、無視することはできないと思い「番外編」として書くことにしました。
さて、この99年は見た作品が多いのですが、放送順から次は一番の有名作になります。『ターンAガンダム』行ってみましょう!
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