物陰のじいや#3
「おや?」
今日も今日とて可愛い孫を見守るためにいつもの物陰へ来てみると、すでに先客がいた。
「どうも」
ヒト族の老人は私を見るとそう言って軽く会釈をした。
「お隣、よろしいですか?」
「ど、どうぞ」
先客であった彼に許可を貰い、私は彼の隣に立って今日も多くの笑顔のために働く孫の姿を見つめた。
「お孫さんですか?」
ジッとインフィニティの中を見つめたまま彼は不意にそう尋ねて来た。
「ウエイトレスをしている少女。私の自慢の孫です」
「孫は目に入れても痛くないと私の世界では言いますが、龍人族も同じなのですね」
「そのようですね」
私たちは孫を見守るのに夢中で互いの顔を見る事は無かったが、孫談議に時間を忘れるほどに花を咲かせた。
4月22日 ショウユ
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