ドワーフのおもちゃ屋さん⑥
「サファイア」
よろず屋で働いているサファイアという名前の魚人族の少年が暇を持て余しているような顔で俺の店の前を歩いていたので声を掛けた。
「どうかしました?」
サファイアは俺の両脇を見たがそれに関してはあえて触れず足を止めてくれた。
「依頼料と小遣いは出すからちょっと店番をしていてくれないか?」
「わかりました」
サファイアは即答した。
「すまないな。さぁ、行くぞ」
サファイアに感謝の言葉を軽く告げ、俺は母親とはぐれて俺の店に迷い込んできた人間の双子、
「いいか? このおもちゃはこうして、こう!」
俺は左介と右介に店から持ってきた竹トンボを渡し、手本を見せてやった。
「こーして」
「こー」
俺の動きをしっかりと見ていた左介と右介は初めてだというのにとても上手に竹トンボを飛ばせていた。
「上手いな」
「うまい?」
「うまい!」
左介も右介も言葉の意味は理解できていないのだろうが、褒められたという事はわかるようで2人して大袈裟に喜んでいた。
その笑い声はユグドラシルにこだましていたようでまもなく2人の母親が広場にやって来た。
2月22日 アンザン
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