Chapter8 『遅刻予定のアポイント』 8-5
「ああ。」
「とりあえず、白さんを何とか、乗せなければなりませんね。」
(菖蒲が言いながら、テーブルで寝息をたてている白を見た。)
「白? 行くよ。」
(夏樹が白の背中に手をかけゆすったが、大きな白の背中は、微動だにせず。
テーブルに完全に突っ伏していた。)
***
トットッ
「橘、そういう訳だ。 僕は晃君と行く。 悪いけれど、3時には代理の者が行くと、
市長に伝えてくれないか?」
「はい、畏まりました。」
(橘は、聖から資料を受け取り、お辞儀した。)
「お前、一度くらい、アポを守ろうという気はないのか?」
(隣に立つ晃が鋭い視線を投げた。)
「時雨、本部に待機してくれ。 会議の後、大臣どもが聖に会わせろとうるさく
言う様なら。 追い返して良い。」
「畏まりました。」
(近くに居た時雨が、深くお辞儀した。)
パタパタパタッ
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