Chapter8 『遅刻予定のアポイント』 8-3

(葵が小さな欠片を確かめる様に、視線を向けた。)


(皆、それぞれにくつろいでいた視線が、聖の差しだす欠片に集まった。)


「・・それだけ、“闇化”した敵も強くなっている。」


「気を抜くな。」


(晃が深い声で、告げた。)


「了解!」


(剛が大きな、分厚い手で。 聖の手から欠片を受け取った。)


「それから剛君、その後艶君と一緒に。 風見市庁舎へ行ってくれないか?」


「艶君も、白君も、今日は大学の講義はお休みだったね?」


「う~ん・・。 そ~う・・。 ぐぅ。」


(白が答え、向かいの席の艶が、白の頭をたたいた。)


ぺチッ


「寝るな。 愚か者めっ。」


(欠片を大きな胸ポケットに仕舞った後、剛が聖に尋ねた。)


「んあ? 別に俺は良いが、俺らで良いのかい? 市長に国からの活動許可を


要請するんだろ?」


「あんたが直接行った方が。」


「ふんっ。」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る