チビ日記

第1日目

ぼくのなまえは「チビ」っていうんだ。

ほかのみんなよりすごくちいさいから、そのままなまえになっちゃった。

もうおとなのねんれいなのに、こねこくらいだからしかたないよね。

ああ、ぼくはおんなのこだよ。じぶんのことをぼくっていうのへんかな？

ぼくはちいさいけれど、ほかのみんなとおなじことはできるよ。

ちいさいからつめがほそくてささりやすいから、よじのぼるのはほかのおおきなこよりとくいかもしれない。

このつめはね、じつはもうひとつつかいかたがあってね……にんげんがぱんとかたべていたりするでしょ？　そんなときにそっとしのびよってね……思いっきり指にブッ刺してやるんだよ。そうすれば、大体怯んで落とすからねぇ。それをすかさずかっさらって逃げるんだよ。他の馬鹿どもなんざ威嚇音で近寄らせねぇよ。クソ犬だぁ？　ぶん殴っておけ！！

はっ、ぼ、ぼく、なにかいった？　うん、気のせいだよ気のせい。あはは。

あっ、そうそう。かんじんなことをいいわすれていたね。ぼくは「ネコ」っていういきものらしいよ。

たべるかねるか……うん、ねているね。ほとんど。あたたかいところだいすき。おひさまのひかりだいすき。だんぼうというきかいもこたつも……いけない、もうねむいよ。

ぼくのかおをみてにんげんがいうんだ。わんぱくこぞうって……ひどくない？

きかないかおしてるは、そのとおりだからいいけど、せめて、おてんばむすめにしてほしいな。じゃないと、ねているときに、かおのうえでつめとぎしちゃうよ？

うん、こんなかんじかな。ぼくだってにっきかけるもん。

じゃあね。またかくよ。