第9話 想いその先へ

「センター自己採、得点率は……?」

「9割7分」

「すっげ?!

俺7割9分……だめかな……」


ミオは手提げを振り回した。


「二次重視だし、気にしなーい」

「……そうだけど」


レイはくちまでかかっていたマフラーを下げた。


「前期はどこ出すんだ?

やっぱり……」


「亭大経済、理系受験で」


「は?!お前なら、医ねらえるだろ?!

担任もそう言ってたし……」


「私も、そのつもりだったけど」


ミオは冷たい蒼天を仰いだ。


「理系の学部って、授業多かったり、家に帰れなかったり、教授に連れ回されたりするらしいじゃん?

大量の教科書を買わないといけないし……

それはちょっとな……」


ミオのあらゆる決断の影には、いつも家族の存在があった。

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