第9話 珍しく頑張ってみたらこうなった!
珍しく勉強机に向かう智亜美の姿がそこにあった。
「私が勉強しようとすると決まって誰かからメッセージか電話が入るんだよね~」
「今日は誘惑に負けないぞ…」
強い意思でフラグを回避しようとする智亜美の姿である。
そしてお約束のようにスマホから音が流れ出した。
ハンバーーーーーーーグッ♪
「むぅ…」
すぐにボタンを押してスマホを手放す智亜美。
今日はなぜかいつもと違うぞ!
「今日だけは…今日だけは誘惑に負けられないんだ」
「この宿題だけは終わらせないと、大好きな亀栗くんに逢えなくなる」
そう…智亜美はアイドルグループKOT-TUNの亀栗くんの大ファンなのだ。
宿題を明日までに提出しなければコンサートの日に補習が待ち受けている為、必死であった。
「私はこの宿題を終わらせたら亀栗くんに会いに行くのだぁ」
バリバリのフラグを自ら立てている智亜美である。
しかしいつもと違う気迫に溢れていた。
その後、咲から電話、琴音と葵からのメッセージが10回くらいコールしたのである。
「なんで今日に限ってこんなに着信多いんだよぉ」
「みんなそんなに私をちーーんさせたいのっ?」
そんな独り言を言いながらも頑張っている智亜美。
するとコンコンとドアをノックする音が聞こえた。
「ダメだダメだダメだダメだ」
「瑠璃さんが絡むと100%ちーーんになっちゃうからここは我慢だ」
そう言い聞かせて一言で瑠璃を遮る。
「瑠璃さんごめん今は手が離せないから後でね~」
瑠璃に喋る隙を与えないまま遮ることに成功した。
「よし、あと少しだぁ,頑張れ私」
「亀栗くん待っててね」
今日の智亜美はやり切ってしまいそうな勢いだぁ
さぁどうなるフラグを回収するのであろうか?
時間は過ぎ、4時間が経過しようとしていた。
「やったぁぁぁぁぁ」
「ついに…ついに終わったぁ」
「私よく頑張ったよぉ」
智亜美は宿題を全て終わらせたのだ。
様々な誘惑に打ち勝ち、亀栗くんのでるはずのテレビも録画で我慢した。
「やっと終わったよ~私を褒めて亀栗くん」
智亜美はメッセージのチェックにスマホを取り出した。
同時にドアが再びノックされる。
ガチャ
瑠璃さんがスマホを片手に写メを見せびらかしに来た。
それと同時に智亜美はメッセージを開く。
だが…
メールを見て智亜美は石となり崩れた。
そして灰になった智亜美
メッセージの内容と咲からの留守電の内容はこうであった。
「あんたの好きな亀栗くんが近くの公園で生放送のロケやってるよ!はやくおいで~
一緒に写メ撮らせて貰おうよ」
そして瑠璃さんの手には亀栗くんと瑠璃さんが並んで写った写メが握られていたのでした。
ちーーん
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