第289話 えっ! そんな物で! (2)

 僕が先程から大事に背負っている物を地面へと降ろし組み立て始める。


 だから落ち込み下を向いていたランガーさんや、彼の腰に抱きつき泣いていたララちゃんの弟さんや妹さんも、泣くのを辞めて、僕がしている作業──。


 そう、近代日本で購入してきた簡易式のテントの組み立てを興味津々にララちゃんも含めて、フムフムと感心しながら見詰め。


「新作さん、これって何ですか?」と、ララちゃんが首を傾げ尋ねてくるから。


「これはテントと言ってね。日除けや雨避けをしてくれる簡易式の物だよ」と。


 僕は彼女に簡単に説明をすれば。


「変わった物だから、遠くから見ても目立つでしょう?」と、ララちゃん達に尋ねる。


「ええ」


「うん」


「凄い変わっている」とララちゃんや弟のショウ君、妹のミミちゃん……。


 まあ、本当に異世界なんだなと、僕が皆の名前を聞き、メルフェンチックな名前だなと思う姉妹が簡易テントを見て感心すれば。




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