Tale4.メアリーのお昼ご飯
森の近くに、ぽつんと建っている小さなおうち。
いつもよりちょっとだけ強い風が、ざわざわと森や草原を鳴らしています。窓の外から見える空は、ねずみ色です。
今日は風強いね、おじさん。雨も降りそう。
そうだね、メアリー。今日は家で遊ぼうね。
うん!
メアリーとおじさんは、お昼ご飯を食べています。
あったかくて、おじさんの愛情がたっぷり感じられるお昼ご飯が、メアリーは大好きです。食べているうちに、メアリーの体もほかほかに温まってきます。
おいしいかい、メアリー。
作った私もとても嬉しい。
ありがとうね、メアリー。
まだあるから召し上がれ。
おじさんは優しい笑顔で、メアリーの為にご飯をたくさん出してくれます。
とってもおいしいご飯でおなかいっぱいにして、それからおじさんといっぱい遊ぶのです。あまりにおいしいので、つい夢中になって食べ続けてしまいます。そんなところを見られてるのにふと気付いて恥ずかしくなるけれど、おじさんはメアリーをただ笑って見守ってくれているのです。
おいしいだろう、メアリー。
遠慮せず食べていいんだよ?
さぁ、好きなだけお食べよ。
何も心配しなくていいから。
おじさんが笑ってくれると、メアリーもとても幸せな気持ちになります。笑ってほしくて、もっともっと食べるのです。そんなメアリーを見て、おじさんもとても嬉しそうにします。
お昼ご飯を食べているうちに、お腹がいっぱいで苦しくなってきます。眠くなってしまったのでしょうか、頭もぼーっとしてきます。
あぁ、眠いんだね、メアリー?
そろそろベッドで休むといい。
わたしが連れて行ってあげる。
続きは、ベッドに着いたらね。
優しく囁きながら、おじさんはメアリーの髪の毛を撫でてくれます。ちょっと汗をかいているから恥ずかしかったけれど、おじさんが笑っているからそれでもいいや――そう思っていると、メアリーも楽しくなってきます。
頭がぼーっとして、身体もうまく動きません。すごく疲れてて、眠くなっています。おじさんはそんなメアリーをひょい、と抱きかかえて、ベッドのあるお部屋に向かって歩き始めます。おじさんが歩くたびにゆっくりと体が揺れて、まるでゆりかごみたい。
おやすみ、メアリー。
大好きだよ、ずっと。
ありがと、おじさん。
わたしも、だいすき。
おじさんはメアリーのおでこに優しくキスをしてくれます。そのまま、優しく撫でてくれる手の温かさを感じながら、メアリーはお昼寝するのです。
おやすみ、メアリー。
後で、一緒に遊ぼう。
おじさんの優しい声と温もりを感じながら、メアリーは目を閉じました。
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