からのそと

最中

ネノアン・メル

呼吸はしない したくない

意識をすべて 白息しらいきが持っていってしまうから


止まった時が動く 夜が明ける


閃光のように 眩しく




狂おしいほどに 慟哭どうこくする魂

五臓がきしみ血が燃える 四肢ししが一気に弾かれる


何も、誰も思わない いまはただ


閃光のように 強く




この手の刃で 火が散るたびに

しのぎにのぞく あけの過去


もう戻らない 遠いあの


閃光のように 暖かな




生きていたいと そう思う

この一瞬を 全力で


これが最後に なろうとも


閃光らしく 鮮烈に



――――――――――――――――――――――――――――――
















             『からのそと』



















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