告白小説

僕の右に来た君が

ちょっと背伸びして

耳元で言ったんだ


言う直前の1秒間の空白は

通り過ぎる人の話し声すら

聞こえなかったんだ


君の言葉を頭の中で反芻する

胸の真ん中が暖かくなった


ちょっと待ってと言って

君に手を振った


冬の風は寒いのに

なぜか心地よく感じた


あの時の言葉が

あの時の君の声が表情が

僕の頭の中で

再生されるんだ


君はずるいよ

明日は僕が君に伝えないと

君より先に

言いたかったのにさ


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る