シャッフルルームへようこそ
Pain
1部屋シャッフルルームへようこそ
「もう嫌だ。早く帰りたい。」
二十歳でこの会社に就職したがここはいわゆるブラック企業だ。そしてこの俺、平岡凌馬は今日も残業です。気づけばもう午後の10時。暗闇と静寂の社内からは睡魔が目の前で手招きしている。やべ…幻覚見えてきたかも…。
「今日はもう駄目だ。明日早く出社して終わらせよ……。」
俺は会社を後にし、自転車で家に帰った。
俺の住んでいるアパートはいわく付きらしく入居者が少ない。どうにも、そのまま行方がわからなくなったりするとかで……。
そんなこんなで無事帰宅した俺はそのまま部屋で気絶するように寝てしまった。
俺はある夢を見た。女性だ。何もない白い部屋でこっちを向いてこう言うのだ。
「シャッフルルームへようこそ。」
目が覚めた。午前6時。どうも目覚めが悪い。あの女の言葉の意味が分からなかった。だが今そんな事を考えてる暇はなく、時間は待ってくれない。
「やべ!昨日の分の仕事終わらせないと!」
俺は直ぐに支度し家を出て自転車を走らせる。昨日の夢のせいか、下り坂で浴びる風はどうも気持ちが良くない。気持ちが曖昧のまま俺は早く出社しデスクワークを始める。まぁデスワークの間違いなんだけどな。
ある程度作業が進む。少し調子が戻ってきた頃、「おはよう。今日は早いな平岡。」
「あー八恵先輩。昨日の分の仕事終わらなくて。」
「なるほど。それは感心だな。少し見てやるからデータを送れ。」
「ありがとうございます‼ではお願いしま
す。」
八恵先輩は俺が入社した時からお世話になってる人で、仕事のことに関してはすげぇカバーしてもらった。凄く尊敬してる。後その胸ずっと拝んでたいです。そういや八恵先輩は都市伝説関連にも詳しいのを思い出した。昨日のことについて聞いてみるか。
「八恵先輩。ちょっと良いですか?」
「うん?」
「都市伝説関連についてなんですが……。」
「都市伝説⁉」
八恵先輩が急に顔を近づけてきた。まぁ俺の目線は胸ですがね。
「なんだ!いろいろ聞いてくれ!異世界とかくねくねとか写し鏡とか‼」
「い、いやそうゆうのじゃ無くてですね。」
興奮状態の先輩を落ち着かせ昨日の夢の話をする。
「えっとこれが昨日の起こったことの全てなんですが…。」
「うむ…。まぁただの夢かもしれないが、注意をしといた方が良い少し嫌な予感がするからな。」
「そうですか…。ありがとうございます。」
「さぁ‼とっとと仕事終わらせるよ。」
午後の5時。なぜか今日は珍しく残業がなかった。なんだろうもはや残業がないことが都市伝説に感じてきた。今日はゆっくり休める。そんな気がしたのは俺が帰宅するまでであった。
「山代………家?」
山代家と書いた貼り紙がドアに貼ってある。子供のイタズラか?それにしても可笑しすぎる。警察に連絡した方が良いのか。しかし圏外でした。鍵は………空いてるよ!まさかのイタズラか空き巣だよ‼
もうやけで扉を開けた。
「お兄ちゃん鍋美味しいね!」
「そうだな。」
「そうだろ!母さんの料理は世界一だからな!」
「あらあらあなた。褒めても何も出ませんよ。」
知らない一家が鍋してんだけどど……………。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます