第248話 僕の嫁はオークの酋長達……(71)

 う~ん、でも? 健太が? いくらウォンに対して?


『僕のアイカさんを返せぇえええ~! ウォン──!』


 と、怒号を吐きたくても。彼の力と武では? オークの漢戦士、最強の一人であるウォンに対して彼が、いくら抗ってみせても、一方的に負けるのみだと。健太自身も簡単にわかることだから。ウォンに対して、此の国の女王アイカを自分に返してくれと、荒々しく告げる勇気もない。


 それに? 此の国の女王アイカに対しても健太は?


『アイカ~! お前は~? 何で~? 僕以外の男と仲良く肩を並べて歩いているのだ~! いい加減しろ~! そんな男と仲良く歩く行為など今直ぐにやめて~! 僕の許へとこい~! アイカ~! 今直ぐにだぁああああ~!』


 と、荒々しい台詞を怒号のように吐きながら。自身の婚約者だった此の国の女王アイカと不満と諫めの言葉を告げる勇気もない。只二人の仲の良い様子を彼は? 口惜しく、遠くから見詰めることしかできない。


 それも? 『アッ、ハッ、ハハハ……』と、作り笑いをしながらねぇ~。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る