第193話 僕の嫁はオークの酋長達……(17)

 じ、実は彼女~?


 そう~? 比の国の女王ルインなのだが~? 格闘相撲大会の最中~?


「カーン~? トイレ(用)をしてくるね~」


 と、告げて。


 夫であるカーンの許を離れているのだよ。


 それも長時間意図的にだよぉ~。


 そう~? 彼女は~? 夫であるカーンの許を離れると直ぐに、一人町中をブラブラと『ローマの休日』の中に登場するヒロインの如く振る舞いで散歩……ではなく~?


 彼女が只今夢中……。恋心を抱く白馬の王子さまこと健太を慌てふためきながら一人で探索を始めるのだよ。


 そう~? 比の国の女王ルインは~? 自身の本来の夫(主さま)であらせられるカーンの目を盗んで、一人単独で健太(白馬の王子さま)を探索──!


 そして見つければ~? 彼女の口から直ぐに~?


「私の王子さま~。みいつけた~!」と。


 比の国の女王ルインは歓喜の声を漏らす。


 ……だけならばいいのだが?


 そのまま健太(白馬の王子さま)へと抱きつき甘え、直ぐに口づけ……。


 それも~? 甘い~、官能的な~。大人の接吻と言う奴をおこなっているのだ。


 白馬の王子さまこと健太に『うむ』も言わせないほど強引にね~。


 それもさぁ~? 人目もはばからずにだよぉ~。


 彼女は~? 比の国の政を一人でこなす才女の女王さまなのにだよぉ~。


 う~ん、でも~? 今日は~?


 オーク種最大の祭典だから~。祭りの日はどこもかしこも~。


 もうそれこそ~? 種族などお構いなしに無礼講~。


 それが~? どんな高貴な者であろうとも、祭りとは本来違う国、町、集落に住む男女が、周りの目を気にせずに、恋を育む為の日だからね~。

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