第174話 ウォンと健太(17)

 う~ん、でもさぁ~?


 女王アイカがこんな様子だから尚更健太は~? 自身の妃達に少しでも良いところを見せたいのだ!


 特に自分達夫婦の様子を、健太のライバルであるウォンが見ているのだから。彼に嫉妬心を募らせている健太は尚更~。格闘相撲大会の決勝──代役として出場をしない訳にはいかないのだ。


 この決勝戦……。オーク最強の漢の体調不良自体が、彼の茶番劇であり。ウォンや比の国の王カーンと、健太(白馬の王子さま)を自分のコレクションに加えたい女王ルイン達の悪しき思いと謀略……。離反の策だとも知らずに~。


 健太は自身の紅の瞳を濡らしながら。自分に甘え~。大会に出場をするなと諫めてくる妻~。此の国の女王アイカへと~。


「大丈夫だよ~。アイカさん~。無理はしないし~。僕自身も君の夫として、今度は恥ずかしくないようにがんばるから~。心配をしないで~」


 と、告げ。彼女へと珍しく、健太自身から『キス』をおこなうのだよ~。


 此の国の領主であり、オーク最強の男であるウォンの目の前でね~。


 そう~? 此の国の女王アイカは、元彼氏、婚約者であったウォン~! 貴様の物ではない! 今は自分の物であり。最高の財産なのだと言いたい様子……。


 と、言うか? 健太が珍しく、荒々しい表情……。


 ウォンを睨みつけながら、女王アイカとの夫婦らしいキスを堪能している様子を我等は、大変なことにならなければ良いのだが~? と。自身の脳裏で思いながら、遠目から愛する二人と。彼、彼女の家族達を見詰めている。


 ウォンも含めてね~。



 ◇◇◇◇◇


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