第164話 健太とウォン(7)

 だって~?


 健太自身は、朝から全然口には出さないで、控えめにいたのだが。やはり女王アイカが仲良く……。


 そう~? 女王と王のように振る舞いながらウォンを連れて歩く様子は見ても気持ちが良いものではなく。


 彼自身は~? どちらかと言えば~? 二人の仲を見て嫉妬……。


(絶対に今晩から、アイカさんが僕に甘えてきても無視……。今日から当分の間は、アイカさんと床も一緒にしない~。絶対に~。これは~? 男としての僕に意地だから……)


 と、不満を募らせていたのだ。


 だから健太は~? ここぞとばかりに、自分のアイカに対して、自分も男なのだから少しでも良いところを見せたい衝動に駆られているから。


 女王アイカ……。自身の妻の諫めと嘆願を聞き入ることはしない。


 此の国の女王アイカの伴侶である王と、戦勝、王の証……。勝利の女神シルフィーの主は、ウォンではなく健太自身だと。彼は何処か自負しているところがあるからね~。


「いや~ん。健太~。やめて~。お願いだから~」


「おなた~。少し落ち着いてください~」と。


 此の国の二大巨頭である女王と丞相の妻二人の諫めの台詞……。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る