第144話 祭典(21)

 それに~? 女王アイカは~? 此の国の領主であり~。自身の左の翼……。武の要であるウォンのことを。自身の嫉妬心から蔑ろにするわけにはいかないのだよ。


 だって~? 女王アイカは、比の国の女王ルインと。今日の祭典のメインイベントである格闘相撲大会の、ここ過去数年の覇者であるウォンとの恋の奪い合いに勝利して。彼が此の国を捨て、比の国の女王ルインへと寝返ることを阻止しているのだよ。


 だから今日の祭典……。本来ならば彼……。此の国の王(プリンス)になる為にきた健太が、この世界にきて初めての祭典だから。女王アイカは妹君達のように、健太に甘えながら。今日を過ごし、二人……。女王と王らしく仲良く幸せに終わらせたいのだが。比の国の女王ルインが未だウォンのことを、虎視眈々と狙っていると、女王アイカは未だ思っているので。ウォンを一人で放置しておくわけにはいかないのだよ。未だ他国の者達に、ウォンが次期王候補だと思わせていないといけないからね~。


 う~ん、でもさぁ~? そんな女王アイカの策……。健太と自身の妹君達三人の様子を見て嫉妬……。側にいるウォンへと八つ当たりをしながら歩く様子を傍から……。


 と言うよりも~? 遠目から見ていた我等……だけではないか~?


 女王アイカとウォン、健太……。プラウム嬢にサラ嬢……。五人の様子を遠目から見て確認をしていた比の国の王カーンには、此の国の、嫉妬心をあらわにしている女王アイカの気持ちや。彼女の後ろで、尻に魅かれて、御機伺いをしながら歩く様子のウォンを見れば。若い二人の気持ちなど、軽くお見通し~。


 だから我等は、女王アイカと王になる健太のことが不安になる。


 だって~? 相変わらず、比の国の王カーンは、此の国の王族達の様子を見ては、不適に微笑んでいるようだからね~。


 と、言うことだから~? 


 我等の簡易的な説明も終わったので、この話しの冒頭シーンである。今日の祭典のメインイベント……。格闘相撲の大会を一般席から一人気楽に観覧をしている健太のところまで話しを戻すことにするね~。


 でッ、次回からは~? 格闘相撲の話しの続きだからね~。



 ◇◇◇◇◇

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