源三郎江戸日記6 殿には江戸屋敷に正室のおこである種次様がおられ、国許に側室のおこ種時様がおられる、跡目は長子の種次様だが、病弱で凡庸であられる、種時様は文武両道にたけおられるので、
源三郎江戸日記6
殿には江戸屋敷に正室のおこである種次様がおられ、国許に側室のおこ種時様がおられる、跡目は長子の種次様だが、病弱で凡庸であられる、種時様は文武両道にたけおられるので、
跡目をめぐって、種時様を擁立しょうとする国家老大石様と、あくまでも長子であられる種次様を擁立すべきだと江戸家老黒田様がことごとく反目なされているのじあ、このお二人、
はお亡くなりになった、
大殿の側近だったお二方なので、殿も頭が上がらず困っておられるのだ、いい返事をされぬ殿に、国家老一派が暗殺を企てているとの事なのだと言うので、そんな事が発覚すればお家、
は取り潰しになりますというと、どうも裏で柳沢様が糸を引いておられるようで、殿がいなくなれば種時様を跡取りにするとの約定を貰っているらしいが、そんな約定を柳沢様が守る、
はずがない、
事をおこさせ秋月藩を取り潰すたくらみとみた、源一郎は殿の側近だが剣の腕はおぼつかない、そなたは部屋住みなので行列には加われないが、剣の腕は相当なものだ、行列につかず、
離れずに着いていき、殿をお守りするのだ、お前一人では心もとないので、わしの配下の草の者を二人同行させる、これ姿をみせよと言うと、いつのまにはいったのか、源三郎の後ろ、
に、
ここに控えておりますというので、振り向くと男と女が座っていたのです、草の者で、根来源信とお蝶じあと言うと、源三郎様我々二人が、お手伝いつかまつりますといったのです、
そなた達が着いていく事は源一郎には言うてある、時々つなぎをとるのだ、大阪までは陸路を行き大阪から海路になるが、若狭屋の大阪の出店の番頭が船の手配はしてくれる事にな、
っておる、
これより若狭屋にいき、詳しく吉衛門に聞くのだ、江戸としばらくの別れだ根岸の母にもよしなになと言うので、承知つかまつりりましたと立ち上がりると、これは道中手形だと父が、
渡すので受け取り本宅を出て籠で若狭屋に向ったのです、店に入ると父上より話は聞かれましたか、早飛脚で上方には知らせました、路銀が必要な時は飛脚問屋にこの書状をお見せな、
さい路銀は用立ててくれます、
とりあえず50両用意してありますと風呂敷包みにて渡したので受け取り、相手が柳沢様の手の者なれば難儀な事ですが、源三郎殿ならうまく切り抜けられるでしょうと吉衛門が言った、
のです、それで行ってまいりますと言うと、道中気をつけてと吉衛門が送り出したのです、寮に帰ると律が兄上お峰様がお見えですよと言うので、又どうしたのだと聞くと、さあと言、
って、
母上の元に顔を出すと、お峰がお帰りなさりませ、今日は赤穂の塩に干しあわび、丸干し等の海産物が国表より届きましたので、父上が源三郎様に届けよとの事なのでお持ちしました、
と言うので、それはありがたいというと、明後日は国元へ出立されると聞きました、道中のご無事をお祈りいたしますといって、これは神田明神の御札ですと渡すので、重ね重ねかた、
じけないと受け取ると、
母上が今日は夕餉を一緒にとり、ここにお泊りなさい、ご自宅にはその胸を知らせておきますというと、おそれいります、お言葉に甘えますとお峰が言ったのです、源三郎殿湯にでも、
入ってきなさいと言うので、それではお先にと部屋を出て湯殿に向ったのです、裸になりお湯をかけていると、格子戸が開きタスキをしたお峰が入ってきたので、あわてて前を隠すと、
お背中をお流ししますと後ろに回り、糸瓜でゴシ、ゴシとこするので、お峰殿もう少し優しくというと、何を言っているのですか、武士はこれくらい我慢するのです、西国までは沢山、
の垢がたまります、綺麗にして旅立つのですと言ったのです、さあいいでしょうと、お湯をかけるとひりひりします、湯船に入り、上がるとお峰が全身を拭いて、新しい下帯を締め、
直したのです、
お峰の襟首を見て一物がムクムクして来たので手で押さえると、どうかしましたかと言うので、ダメですよ湯殿まで入って来ると、あそこは言う事きかないのですと言うと、ここです、
かと触るので、ダメですよこれ以上大きくなると、どうしてくれるんですというと、後でほぐしてあげますよとケラ、ケラ笑ったのです、湯殿を出て自分の部屋に戻ると何とか小さく、
なったので、
どういう事だ、お峰殿を嫁に貰えという事なのか、それにしても湯殿まで入らせるとは、母上は何を考えているんだろうと思ったのです、夕餉の支度が出来たというので部屋に行き、
膳の前に座ると、鯛の刺し身、あわび焼き、いわしの丸干し、味噌汁、香の物です、これはご馳走だと言うと、母上がそなだが始めて殿のお役にたてるのです、その門出ですよと、
言ったのです、
お峰が酒を注ぐので飲み干して、それでは頂ますといわしに箸をつけると、律が最初はタイの刺し身からでしょう、いわしからとはと笑うので、これが一番美味いんだよと言うと、
お峰がさすがに質素倹約の家風なんですねと言うと、律がお峰様タダいわしが好きなだけですよと言ったのです、実は私もいわしは大好きなんですよとお峰が言うと、武家は食し、
ないそうですが、
私は商家の出なので旦那様に出しましたら、これは美味いというてくだされたので、ここにおいでになるたびにお出ししたら、源三郎殿もすっかり好きになってしまったのですよと、
母上が言うと、私の父も酒の肴には一番だと喜ぶので、いつも母上が安上がりな旦那様と笑っていますと言うと、楽しい食事ですねと律が喜んでいたのです、源三郎が高鍋かなつ、
かしいなあ、
父上は江戸詰めなので行つたのは2回しかないよ、国元のお爺様はとても怖い人だったなあ、随分歳なのにかくしゃくとした人で、山道をどんどん行くのでついて行くのが大変だった、
覚えがある、谷川でお爺様が取った岩魚を焼いて食べさせてくれた事もあったよ、あれは美味かったというと、もう随分お歳なので会うのは最後になるでしょう、きっと喜んでくれ、
ますよと母上が言ったのです、
色々話しているうちに夜も更けたので休む事にして部屋に戻ると、お峰が寝酒ですよと、酒と香の物をもってきて酌をするので飲み干し、お峰殿もと杯を渡して酌をすると飲み干し、
初めてですね、二人でお酒を頂くなんてと言うので、引き寄せて唇を吸うと、引き離して、後で参りますというと、立ち上がり部屋を出て行ったのです、寝酒を飲みそれではフトン、
に入るかと横になったのです、
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