夕焼けの名残

まな

君のページ

貴方の好きな本を読むのが好きです

貸してもらった本なら尚良し


だって

貴方のお部屋にお邪魔したきぶんになれるのです


貴方の大切な一冊

たくさんの感情と一緒に読んだ本を

私におすそ分けしてくれるのですから


だから表紙の次の何も書いていないページから

大切にゆっくり読みます


目次に目を通して一旦本を閉じて


そうして

瞼の裏で想像するのです


この本を好きな貴方のことを


いったい貴方はどんな気持ちで

ページを捲っていたのでしょうか


そっと胸が躍ります


ドキドキしてしまうのです


貴方のすきなフレーズはどれかしら

お気に入りの言葉はこれかしら

ここ、貴方はどう思う?


何でもないワンシーンなのに

本の端から貴方がひょこっと顔を出します

ついつい貴方のことを考えてしまうのです


こんな素敵なお話が好きな貴方は

きっと素敵な方なのでしょうね


最後の一文字まで読み終えたとき

貴方に一歩近づけたきぶんになるのです

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