偶発的な落葉

さいこ

第1葉

 午前5時、水道橋。


 まだ熱い缶コーヒーを口に含んだ。

 初冬の冷たい風に背を向け、欄干にもたれて誰かの今日を思う。

 今日働く人、今日祈る人、今日泣く人、今日闘う人、今日死ぬ人。

 硝子のような寒空をゆっくりと昇り始めた今日は、全ての命を等しく照らして沈むだろう。


 僕は今日、何が出来るだろうか。

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