第13話 銀河鉄道の夜


 夜遅くの銀河鉄道は

 人が少ないから、すこしだけ、快適だ。


 夜遅くの銀河鉄道は

 静かだから、騒ぐことはできないけれど、誰にもみられないから、

 聞こえない独り言や、見えない手遊びは多くなる。


 ただし、帰るのが遅くなるのが億劫かな。


 満員電車みたいな儀式や

 恐ろしいことが何もないここには、

 銃声も聞こえないだろう。

 赤子はすやすやと眠る。

 泣いても誰も怒りはしない。


 それでいい。それがいい。

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