ヘクターズ

サクニジ

第1話 僕ちゃん達は人間じゃない。

首都にやってくると、多くの香しい血のにおいでお腹が鳴るのを止められなかった。勝斗が言った通りに、ここは食事場としては最適だろう。昼はまるで僕ちゃんのために多くの暴動という名の殺し合いがあって、夜は誰もが怖くって家からでない。だから見つかる心配も無く食事が出来る。ああ、なんてすばらしい。


「沙血、心の声だだ漏れ。うるさい。だまれ。」

「そういう、藍斗だって、さっきから僕ちゃんの話にうなずいてたじゃん。」

「それとこれは話が別。」


そう、僕ちゃん達は人間じゃない。君たちと何もかもが違うのだ。

なぜなら、僕ちゃんは500年も生きている。

これでも若造なんだ。

だって、藍斗は800年、勝斗は900年、由野は100年前から生きている。


僕ちゃん達は多くの仲間を失った。飢えや火傷等バカな理由から掟を破ったからという理由で多くの仲間を失った。だから、殺しに来た。復讐さ。


それなのに。それなのに。


「沙血、復讐じゃない。救世主になるために君らを連れて来たんだよ。」


この一言が実現するなんて思いもしなかった。

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