本当に君が好きだと言ってみたい

 バイト先で一目惚れとも言っていいくらいに好きになった、同い年で才女のM子さん。シフトが重なるにつれ、M子さんも僕に好意を持ってるんじゃないかな? と自惚れるくらいに親しくなっていった。


 でも僕は自分からM子さんに好きだとは言えなかった――。



 以前、僕は唯一自分から告白をして付き合った女の子をとても傷付けてしまったことがある。

 好きだと何度も伝えた。告白は何度も断られたれた。それでも僕は告白を続けて、やっとのことでその女の子と付き合うことが出来た。


 ――だけど僕は彼女のもとを去った。


 そして僕はもう、誰かを好きになっても自分から告白をしたりするのは止めようと思った――。



 その後、バイト先に新しくSちゃんという女の子が入ってきた。年下のSちゃんは僕にとても好意を示してきた。


 そのうちに僕はSちゃんから告白をされた。


 僕はSちゃんを傷付けたくなくて、とくに好みではないSちゃんと付き合うことにした。


 しばらくしてM子さんはバイトを辞めた――。


 僕はずっとM子さんの事が好きでいる……。


 あまり頭が良いとは言えないSちゃんは、僕がSちゃんのことを……Sちゃんだけを大好きだと思っている。


 僕はM子さんのSNSを心苦しみながらも頻繁に覗いていた。M子さんはどうやら今年のクリスマスも一人きりで過ごすらしい。


 僕はクリスマスをSちゃんと二人で、行きたくもないテーマパークで過ごすことになっている。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る