第13話

みんなつかず離れずの位置で山谷を取り囲むように陣取り、ずっと山谷を見ているのだ。


ついでにその他の五人も。


そんな中で会話が弾むわけもなく、お通夜の様な雰囲気の中、昼食を食べ終えた。


女子二人は早々に、山谷は授業開始のチャイムが鳴ってから食堂を後にして、いつもの三人が残された。


野次馬はその数は減ったが、まだ周りに残っており、引き続き上条達の観察を続けていた。


会話は必然的に小声で行なわれた。


それは音量調節不可能と思われていた木本までも。


木本が言った。


「来週、山谷来ないんじゃないのか」


桜井が答える。


「来週からは夏休みだよ」


「おおっ、そうだったそうだった。すっかり忘れていたぜ」


「だから授業は夏休み明けだ」


「そうだな。それまでになんとかしないと」


「そう。そうしないと、次は木本になるかもしれないしね」


「えっ、なんで俺が?」


上条は驚かなかった。


桜井と同じことを考えていたからだ。


上条は口をはさまずに、二人の会話を聞いた。

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