第242話不安

「次は誰が来るんだ?」


絶対にこの夜は嫁一人では終わらないはずだ。


海の向こうにいるはずのあいつが、ひょっこり顔を出すんじゃないかと言う気すらしてくる。


「いや、さすがにそれはない」


頭を振って不安を吹き飛ばす。


きっと、金髪爆乳は今ごろ射撃訓練でもしてるさ。


「一樹はん、今ええか?」


そう考えた次の瞬間、再びドアがノックされる。


「ある意味予想外だ」


先に桜子が来るものだと思ってたよ。


「はよあけてくれや。美少女に囲まれすぎて、ウチに魅力を感じへんのか?」


「はい、今すぐやるよ」


言い方がむかつくが、言われた通り鍵をあけて部屋に入れる。


「おや? 誰もいないんやな」


部屋を見回しながら不思議そうにつぶやく。


「所詮俺は恋愛経験の少ない、童貞ボーイだからな。ハーレム王は遠い道のりだよ」


今まで彼女がいたためしがないしな。


「そうか? ウチには十分ラノベ主人公化してるように見えるで」


くすんだ金髪の少女は、ケラケラと笑いだす。


「そんなことを言いに来たの? だったらもう部屋に帰ってよ」


「そんなわけないやろ? 本題はここからに決まっとるわ」


そう言いながら、サラさんは椅子に座りだす。


「手早く終わらせてくれ」


言われるのは先輩にたいしてのことなんだろうなあ。


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