第164話結末
私の爆発魔法により、敵のコアは吹き飛びました。
異世界化空間は維持できなくなり、元に戻ります。
「解決できましたね」
それも大事でしたが、仲間を守れたのが何よりもうれしかった。
適当に組み分けられただけの、その場だけの関係であるともいえるでしょう。
しかし、私は死者は出したくないし、手の届く範囲で守れる人は守りたかったのです。
試作型に近いミサイルでしたが、土壇場できちんと作動してくれて本当によかった。
「よくやりましたよ、カグツチ」
私の魔法に合わせ、真っ赤にカラーリングされた専用機に声を掛けます。
感傷に過ぎないと分かっていましたが、戦場を共にした相棒を褒めたい気分でした。
陰陽師など、日本などでしか知られていないマイナーな存在だったのでしょう。
魔法を見せた後、仲間たちの私に対する目が明らかに変化します。
「私たちは今まであなたを特別扱いされてるだけで、実力などないと思っていた。それについて謝罪させてくれ」
現地の魔女が頭を下げ、私にそう言いました。
独断で敵を倒してしまったことは、自衛隊員から嫌がられはしました。
ですが、結果的に私が犠牲を出さないで解決したことになります。
手柄も建てられたし、日本に戻ったら褒められるのではないかと思ったのですが、そんなに甘い話ではありません。
私の武器や専用機を開発してくれた技研に行き、日本に戻ってこれたことを報告します。
「あなたに渡したミサイルは試作品ですよね? 威力や射程を調べるために使用するはずだった」
「はい、そうですが」
この時の私は、何を言われてるのか理解できませんでした。
研究者の非難するような目線はよく覚えています。
「あれは作るだけでかなりの費用がかかっているんです。何発も撃っていいものではありません」
自衛隊は少ない予算をやりくりする部隊です。
仮に私以外にも開発されたミサイルで結果を出せたとしても、大量生産されて出回ることはあり得ないでしょう。
日本を守るための機密情報なので、外貨と引き換えに外国に渡されることもありませんし。
運用データーをとるために封印こそされませんでしたが、専用機や装備のミサイルに対する評価は下がったのだと思います。
その後も自衛隊にくっついたり、私個人として海外に行ったりしました。
そのたびに自衛とてだったり、成果を上げるためにミサイルを使用し続け、私は世界中から注目される存在に。
しかし、自衛隊から後押ししてもらたりはできないため、今のところ家を継ぐことはできていません。
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