第9話出会い


 あまりいい睡眠ではなかったが、翌日になる。


 硬い床で寝たからか、体が痛んでいた。


「学校といっても、基地の一角を借りてやっているだけの小さなものよ。教育を受けさせていますよ、ってアピールするのが目的ね」


 俺は佐伯さんに連れられ、教室に案内されている。


 そこは基地の会議室を使っている。


たいした場所ではないらしいが。


「それを言ったら元も子もないでしょう」


 大人の事情ってやつですね。


「子供を異世界化の対処へつかう。公開されている訳ではないのだけど、絶対に隠しきれるという保証はないわ」


「そうですね」


 俺がここにいるのも知られちゃうかもしれない。


 マスコミが群がって来ちゃうかも。


「嫌がる子供を、無理やり働かせている。そういわれないための、AFによる工夫。それがこの教室ね。ついでに、マナやAAについても教えているけど」

 

工夫。


「その“工夫”のおかげで、俺はここにいるんですけどね」


「ええ、そうね」


「母への恩返しができる」


「それもそうね」


だが、それだけではない。


 俺のハーレム計画が発動できるのだ。


 あの麗しい銀髪美少女。

 

軍服は似合っていて、とってもかわいいのだ。


だが、私服でのデートもしてみたいな。


「俺が見たところ、ツンツンしていますが、あの娘は絶対にデレますね」

 

そういいながら、教室のドアを開けた。

 

どんなところだろう?


 中をのぞく。


「お前が瀬川とかいうやつか。それで、誰がデレるのだ?」


 切れ長の目と軍服。


 そこには、俺のハーレム候補がいた。

 

しかも、ツンツンとした顔で。


「そもそも、“デレる”とはなんだ?」

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